公証翻訳 (sworn translation) か、翻訳証明書を付した翻訳 (certified translation) か?

法や規制といった分野では、言葉使いがきわめて重要であり、正確な翻訳サービスがこれほど必要な分野はありません。特に、異なる言語や文化にまたがる法的な問題においては、専門用語等も反映された正確な翻訳が重要になります。

法律文書や、学校の成績証明書、契約書などの翻訳で、頻繁に耳にするのは、「公証翻訳」(sworn translation) と、「翻訳証明書を付した翻訳」(certified translation) という2種類の翻訳です。

これら2種類の翻訳は同じ意味のように聞こえるかもしれませんが、言語面での正確さと法的な有効性を確保する上で、それぞれ独自の目的があります。

この記事では、これら2種類の翻訳がどう違い、どう用いられるかをご紹介します。

「公証翻訳」とは

「公証翻訳」は、「法定翻訳」(legal translation) や「公式翻訳」(official translation) とも呼ばれます。「公証翻訳」では、翻訳者が、その文書を正確・忠実に翻訳したことを司法機関に対して宣誓します。この手続きは、翻訳の正しさを認証するものです。公証翻訳は、裁判記録、在留資格に関する書類、および公正証書といった法律文書・公的文書を翻訳する際に多く要求されます。

公証翻訳が不可欠な場合

  • 裁判文書: 公証翻訳は、裁判所の命令、判決、およびその他の公的な裁判文書といった法律文書を翻訳する際に多く要求されます。宣誓によって、翻訳された内容が原文を正確に反映していることが保証され、法的な手続きの正当性が確保されるのです。
  • 公正証書: これにより、法律による承認が加えられるとともに、すべての当事者が契約条件を充分に理解して合意していることが確認されます。公証翻訳は、国際的な商取引にとっても不可欠です。特に、契約書を公正証書にする場合は必要になります。
  • 宣誓供述書・陳述書: 宣誓を行った供述書や陳述書といった文書には、公証翻訳が必要になる場合が多くなります。特に、これらの供述書・陳述書を法的な手続きで用いる時や、政府機関に提出する際など、正確さがきわめて重要になる場合には、公証翻訳の使用が一般的です。

「翻訳証明書を付した翻訳」とは

いっぽう、翻訳証明書を付した翻訳には宣誓は不要ですが、独自の翻訳証明書が必要になります。
この翻訳証明書は、専門の翻訳者や翻訳会社が、その知識と能力の最善を尽くして正しく翻訳したことを、署名して証明するものです。

翻訳証明書が必要な場合

  • 成績証明書など: 外国の学校に出願する際や履歴書を送る際には、成績証明書や卒業証明書を、翻訳証明書を付して翻訳することが求められます。翻訳証明書により、教育に関する資格を正確に伝え、提出先の機関に受け入れられるようにするのです。
  • 在留資格に関する書類: 各国の出入国管理局は、旅券、ビザ、およびその他の本人確認書類について、翻訳証明書を付した翻訳を要求することが一般的です。ビザの申請や入国手続きの際に個人情報の正しさを確認するには、翻訳証明書が不可欠なのです。
  • 財務に関する書類: 国際的な取引を行う際や、外国で融資を申し込む際に、財務に関する書類を翻訳証明書付きで翻訳することが必要になる場合があります。翻訳証明書により、言語間の障壁を越えて、財務に関する情報の正確な伝達が保証されるのです。公証翻訳と翻訳証明書を付した翻訳のどちらを選ぶべきか

資格: 公証翻訳や翻訳証明書を付した翻訳を行うのは誰か

公証翻訳や、翻訳証明書を付した翻訳を行うには、高度な専門性が求められます。
これらの専門的な翻訳については、誰がこの重要な業務を行う資格を有するかを理解することが大切です。
法律文書や公的な文書に求められることが多い公証翻訳は、政府機関に対して公式に宣誓した翻訳者によって行われるのが一般的です。
これらの翻訳者は、正確・公正な翻訳を約束する宣誓を含む公的な手続きを踏みます。
公証翻訳者の翻訳は法制度と政府機関によって承認され、法的に有効になります。
いっぽう、翻訳証明書を付した翻訳は、その分野で認められた資格を持つ専門の翻訳者によって行われるのが一般的です。
翻訳証明書に関する具体的な条件は各国で異なりますが、翻訳証明書を作成できる翻訳者は、翻訳や言語学といった分野で正式な教育と訓練を受けた翻訳者であるのが通常です。翻訳証明書は、翻訳の正確さと翻訳者の資格を証明するものなのです。

資格のある翻訳者に依頼する重要性

資格のある翻訳者に依頼することは、ますます重要になっています。熟練した専門家を、翻訳のニーズに合わせて選ぶことが大切で、それにはいくつかの理由があります。

  • 正確さ: 資格のある翻訳者は、言葉の細かな意味と文化的な背景を深く理解しており、正確で精密な翻訳を保証できます。小さな誤りも重大な結果をもたらす可能性がある、法律・医療・技術文書において、正確さは特に重要です。
  • 法的な有効性: 法律文書には、公証翻訳や、翻訳証明書を付した翻訳を求められることが多々あります。公的な認証を受けている、あるいは当局に対して宣誓した翻訳者は、法的に有効な翻訳を提供できます。これは、公的機関に提出する書類や手続きにとって重要です。
  • 信頼性と専門性: 資格のある翻訳者は、業界の基準と倫理規範に従います。資格のある翻訳者は、契約書 や、学校の成績証明書、その他の重要な文書についても、専門性と翻訳の正確さを約束し、翻訳の信頼性を高めます。
  • 特定分野の専門知識: 資格のある翻訳者の多くは、特定の業界や分野を専門としています。当該の分野を専門とする翻訳者に依頼することで、文書中の専門用語を正確に翻訳し、原文のニュアンスを維持することができます。
  • 規制の遵守: 各国・各業界は、特に法的・公的な文書の翻訳において、特定の規制を有する場合があります。資格のある翻訳者は、これらの条件に通じており、すべての規制を遵守して翻訳を行います。

まとめ

法律文書の翻訳において、公証翻訳と、翻訳証明書を付した翻訳のどちらを選ぶべきかは、その翻訳文書が満たすべき具体的な諸条件によります。 両者の違いを理解し、各々を選ぶべきケースを知ることで、法律文書の正確さを保ち、最も重要である法的な有効性を維持することができるのです。 法律文書の翻訳には、専門的な翻訳会社であるクリムゾン・ジャパンをぜひご利用ください。

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