英語翻訳の勉強法|英和翻訳者はどんな勉強をしているのか

英和翻訳の力を独学で高めるには、方向性のある学習設計が欠かせません。書店の学習書やオンライン講座は豊富にありますが、実際に現場で成果を上げる翻訳者が日々どのように訓練しているかは見えにくいのが実情です。

本記事では、翻訳に必要な4つの技能である読解力、語彙力、文法、専門分野知識という観点から、翻訳者の発信や公開情報をもとに、翻訳のプロが実践している学習法やルーティンを紹介。英和翻訳者を目指す方や、英和翻訳に興味がある方の参考になれば幸いです。

読解力は土台

原文の論理構造を正確に見極める力は、翻訳の出発点です。精読で誤読を避け、多読で文体やジャンルの幅を広げることが基礎になります。

文芸翻訳のとある翻訳者は、通読と精読を往復し、音読で原文のリズムやニュアンスを捉える方法を採用。訳出前に作品全体のトーンを把握し、毎日一定時間を原文読書に充てるそうです。

ビジネスやノンフィクションを手がける翻訳者は、Financial TimesやThe Economistなどの論説文を継続的に読み、章単位で要旨や論証、結論の骨格をメモして翻訳を行うようです。

語彙力を深める

一つの言葉に複数の意味がある場合にどの意味を選ぶか、どの言葉と一緒に使われるか(コロケーション)、そして専門用語の正しい意味を理解しているかどうかが、翻訳の質を大きく左右します。辞書を横断し、実例を集めて使い分けの精度を上げることが重要です。

ある翻訳者は辞書の用例を読み込み、既訳との比較で語感の差をメモする方法を採用。書籍翻訳の場合は作家ごとの口癖や反復語を語彙ノート化し、作品固有のトーンを維持しているそうです。

さらに、分野ごとに用語カードを作り、英語の定義に合った日本語表現を学習。日本語の言い換えを複数用意しておくことで、文脈に応じて最適な表現を選べるようにするためです。

文法力を鍛える

文の中の従属関係や並列関係、照応関係といった論理のつながりを正しく理解し、それを日本語として自然な語順に直す力が必要になります。構文解釈の訓練は誤読を防ぐための必須項目でしょう。

有名なやり方かもしれませんが、難文や長文の構文をスラッシュで可視化するのが良いという翻訳者は多いです。becauseやalthoughなどの論理接続の機能を、日本語の接続や文の切り方で自然に再現する練習を重ねる練習が良いでしょう。

専門知識の学習

用語の意味や背景をきちんと理解していることが、正しい意味を選び、自然な日本語に訳すための土台になります。そのためには、一次資料や標準規格、レビュー論文を読み、業界で実際にどのように使われているかを知ることが大切です。

文芸分野を手がける翻訳者は、作品背景の地理や歴史、固有名を一次資料で検証。地名や文化参照は公的機関や一次史料で裏取りし、誤訳を防いでいます。

ビジネスや経済の分野では、四半期決算や年次報告書、規制当局資料、主要紙の社説を継続的にチェックするのも良いでしょう。

まとめ

英和翻訳力を伸ばすには、読解力・語彙力・文法・専門分野知識の4つを軸に、継続的に学習することが重要です。現役翻訳者は、精読と多読で原文の論理や文体を把握し、辞書や実例を通じて語義や用語理解を深めています。構文解釈で誤読を防ぎつつ、一次資料にあたって背景知識を補強する積み重ねが、自然で正確な訳文につながるのでしょう。

本記事が読者の方の学習の参考になりましたら幸いです。

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