海外向けSEOで重要なドメイン構造の選び方

ビジネスを世界に広げる中で、Webサイトを各国・各言語版にローカライズし、それらサイトの閲覧(トラフィック)を増やすことは新規顧客獲得に向けた最初の一歩です。そのためには、海外向けのSEO(検索エンジン最適化)対策を行う必要があります。これにより、国内にとどまらない世界のユーザー向けにサイトが最適化され、ターゲットとしている国や言語を検索エンジンに認識させられるようになります。

Webサイトに最適なSEOを実現するには、まずサイトのニーズに合った適切なドメイン構造を選択します。しかし、国別コードトップレベルドメイン(ccTLD/country code Top Level Domain)と 、サブドメイン、サブディレクトリの違いを理解するという手始めの段階でつまずいてしまうということも珍しくないでしょう。ドメインを選択するには、まずそのサイトが国と言語のどちらに重きを置くかを考慮しなければなりません。それによって、必要とされることが全く変わってくるからです。

戦略策定にあたり、まずは各種ドメインについてみていきましょう。

ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)

ccTLDは言語ではなく国別に定められたものです。ccTLDを使用することで、サイトの対象ユーザーが特定の国のユーザーであることを検索エンジンに認識させられます。例えば、「~co.uk」とういドメインはイギリスのドメインです。

ccTLDは以下のような企業のサイトに適しています。

  • 複数の国・地域で事業を展開している
  • 国際的なブランド力を持っている
  • 各国で幅広いサービスと製品を提供している
  • 国ごとにそれぞれのWebサイトを構築し維持するためのリソースを持っている
  • 法律上、ビジネスを行うにはローカルドメインの保有が必要な国に拠点を置く

ccTLDにはさまざまな利点がありますが、特にキーワード検索やリンク構築を含む独自のSEO戦略でサイトの複数のバージョンを維持しなければならないため、そのようなドメインはコストがかかり、技術的に難しいことは念頭に置いておかなければなりません。

サブドメイン

ccTLDとは異なり、サブドメインを使用すると、国ではなく特定の言語を対象とできます。サブドメインは、Webサイトの他の部分とは異なるコンテンツを共有する場合によく使用されます。サイトに海外のユーザーがいる場合など、サブドメインを使い分けることで複数のコンテンツや言語のバリエーションを作れます。すべてのバージョンはメインサイトの下位にリンクされます。

サブドメインの利点は次のとおりです。

  • 現在上位にランクされているサイトに対してサブドメインを作成すると、親ドメインからの恩恵を受け、そのサブドメインがすぐにインデックスされる
  • サブドメインの一部にキーワードを使用することによるSEO対策やプロモーション、マーケティングなどが可能
  • 特定の国または市場セグメントをターゲットにすることが可能で、これにより製品またはサービスのプロモーションにも役立つ 

サブドメインに欠点を挙げるとすれば、それは検索エンジンが個々のサブドメインを別のウェブサイトとしてとらえることです。それにより、サブドメインのランキングにマイナスの影響がある場合もあります。

サブディレクトリ

サブドメインと同様、サブディレクトリは特定の国ではなく言語を対象とするものです。サブディレクトリは、まとまりをもったコンテンツを含むサイトの下位のセクションです。サイト上の情報をセクションに分けて整理する最も効果的で簡単な方法です。

サブディレクトリの利点は次のとおりです。

  • サブドメインの場合、意図せずにメインドメインよりも新しい情報に更新されてしまうなどで自社のサイト同士が競合してしまうことがあるが、サブディレクトリの使用では、単一のサイトの最適化がなされるためこうした問題は起こらない
  • 新製品や新機能を紹介するブログ記事がサイトにある場合などは、ユーザーがブログとサービスページを適宜に切り替えて閲覧できる
  • コンテンツの更新や情報の追加を、サブディレクトリを介して行う場合、サブディレクトリのSEOにおける位置づけが、メインのサイトそのもののランキングに影響する
  • Google Analyticsのようなプラットフォームでは、サイトのランク付けは、複数のドメインにわたるデータに焦点を合わせて行われるのではなく、ウェブサイト全体のデータをマージして行われる

サブディレクトリの主な欠点は、URL内のページ数が増加し、一部のページのランクが低下することです。

しかし、そのような欠点があるにもかかわらず、多国籍Webサイトを持つ多くの企業が依然としてサブディレクトリを使用しています。サブディレクトリは設定が容易かつ効率的で、メインドメインのランキングを活かしてトラフィックを増加させ、サイト内の他のページの最適化を行えるような構造になっているからです。

インターネットユーザーのオンライン体験の93%が検索エンジンから始まっていることを考えると、堅実なSEO戦略の決定こそが、ビジネスのグローバルな展開にとって不可欠です。最適なドメインを選択することで、新たにアクセスするユーザー数が飛躍的に増えることもあるのです。

Leave A Reply

Your email address will not be published.

お気軽にお問い合わせください

toiawase@crimsonjapan.co.jp