証明書の翻訳が必要なとき

グローバル化の進む世界では、正確で信頼性の高い証明書翻訳の必要性が高まっています。海外への移住、留学、公的取引などの際に、証明書の有効な翻訳が不可欠となる場面は少なくありません。

この記事では、証明書翻訳の意義からプロセス、潜在的な法的要件まで、証明書の翻訳を包括的に解説します。

証明書を翻訳する必要性

証明書は、個人的・職業的な情報、資格や業績を証明する重要な文書です。出生証明書や結婚証明書、成績証明書、職業のライセンスなど、法的効力の面でも、記載された情報の面でも重要な書類です。これらの証明書が証明が必要な現地当局や機関の求める言語とは異なる言語で発行されている場合、正確な翻訳が不可欠となります。

翻訳を必要とする証明書および書類の例

  • 出生証明書

出生証明書は、個人の身元と国籍を証明する基本的な書類です。出生証明書は、入国手続き、市民権申請、その他の公的手続きの際に必要とされることがあります。例えば、海外のビザを申請する際、入国管理局は正確な身元確認のために出生証明書の翻訳を要求することがあります。

  • 婚姻証明書

婚姻証明書・婚姻届受理証明書は、婚姻を法的に証明するものです。証明書の言語が、それを提示する司法管轄区域の言語と異なる場合、翻訳が不可欠になります。具体例: メキシコ出身のカルロスとメイのカップルが、仕事の関係でカナダへの移住を計画。移民手続きの一環として、カナダ当局は二人の婚姻証明書の翻訳版を要求します。この翻訳により、二人の婚姻関係が、新天地でも確認され、有効となります。

  • 成績証明書

一生の中で、海外で教育を受ける機会がある人は少なくありません。知識や技術を学べる海外の教育機関にスムーズにアクセスするために、成績証明書の翻訳が必要なケースもあります。具体例: 中国からイギリスへの留学を希望するソフィアは現地の有名大学に合格しました。入学許可を得るために、ソフィアが提出した成績証明書の翻訳版によって、大学の入学審査委員会はソフィアの学業成績と資格を正確に評価します。

証明書翻訳の手順

証明書の翻訳プロセスの主なステップは以下のとおりです。

  1. 翻訳すべき文書の特定: 受理官庁または機関の要件に基づいて、どの証明書を翻訳すべきかの判断をします。
  2. 文書のデジタル化: 証明書を簡単に共有、処理できるデジタル形式に変換します。
  3. 翻訳会社への業務依頼: 証明書の翻訳を専門的に行う翻訳会社を選びます。証明書の翻訳の場合、特にその文書の分野についての専門性が不可欠です。
  4. サービスの選択: 翻訳会社に対し、証明書の翻訳の使用目的を伝え、納期や翻訳証明添付の必要性の有無などの要素を考慮して、適切なサービスを選びます。
  5. 翻訳された証明書の受領: 翻訳が完了後、必要に応じて翻訳証明書付きで証明書を受け取ります。翻訳証明書は、翻訳の正確性を証明するものです
  6. 関係機関への提出:翻訳された証明書を関係当局、機関、団体に提出します。

翻訳された証明書の認証

提出先によっては、翻訳された証明書は、公証人による認証(ノータリゼーション=Notarization)と、別の公的機関による、その証明者の認証の有効性のを証明(リーガリゼーション=Legalization)」というさらなる検証が必要となる場合があります。

ノータリゼーションとリーガリゼーションが必要になるケース

具体例: ブラジル出身のエミリーは、修士号を取得するためにフランスの有名大学に留学することに。入学手続きの一環として、成績証明書をフランス語で提出する必要があり、彼女は専門の翻訳会社に成績証明書をフランス語に翻訳を依頼します。大学は書類の信憑性を保証する公的に証明された翻訳を要求します。この要件を満たすために、翻訳された成績証明書がリーガリゼーションのプロセスを経なければなりません。

ノータリゼーションおよびリーガリゼーションが必要なケースには、以下のようなものがあります。

  • 公的機関: 結婚や雇用に関わる手続きなど公的な文書にはリーガリゼーションを経た翻訳を求められる場合があります。
  • 教育機関: 大学によっては、学業成績の正確性を保証するためにノータリゼーションを経た(公証付きの)翻訳が要求される場合があります。
  • 裁判所: 裁判で使用する証明書は、真正性を確保するために公証が必要な場合があります。

留意点

証明書翻訳は目新しい概念ではありませんが、すべての人が正しく認識しているわけではありません。スムーズな証明書翻訳を実現するため、証明書翻訳に関連するよくある質問とその答えをご紹介します。

  1. 証明書は自分で翻訳できますか?上述のように第三者による公証が必要という要件がなければ、機械翻訳などを利用して証明書を翻訳することは可能ですが、プロの翻訳サービスを利用することで、正確なだけでなく、文化的な背景を踏まえ、提出国・地域の法令に則った翻訳を手に入れることができます。
  2. 証明書の翻訳にはどのくらい時間がかかりますか?納品までに要する時間は、文書の複雑さやサービスレベルによって異なります。急ぎの翻訳対応に、追加料金を設定している翻訳会社もあります。
  3. 翻訳の証明(Certification=サーティフィケーション)と公証(Notarization=ノータリゼーション)の違いは何ですか?翻訳の「証明」には、翻訳者または翻訳会社によって正確性を保証する署名が記載されます。翻訳の「公証」は、さらにその文書の署名を、公的機関である公証人などが「本人のものである」と証明する証書です。
  4. オンライン翻訳ツールを使用した翻訳で公証(ノータリゼーション)は得られますか?公証とは人間の署名を認証する目的で発行される証書です。オンラインツールは文書の内容の理解するのには役立ちますが、翻訳の担当者がいないので発行できません。
  5. リーガリゼーションには通常どのくらいの時間がかかりますか?提出先の要件や、リーガリゼーションの方法(アポスティーユか領事認証か)などの要因によって異なります。余裕を持って手続きを開始することをおすすめします。
  6. 海外に提出する公的書類に、領事認証は必要ですか?ハーグ条約に加盟した国の間では、条約に基づく付箋(アポスティーユ)を取得すると国内の提出先国大使館・領事館の領事認証のある文書と同等のものとして提出先国で使用できます。提出先国の要件を調べてみてください。

まとめ

海外で人生の新たな一歩を踏み出すにせよ、法的取引を行うにせよ、証明書の正確な翻訳が必要となる場面は少なくありません。

クリムゾンジャパンでは、お客様の重要な文書を丁寧にお取り扱いいたします。長年の実績に裏打ちされた、翻訳の専門性と各国の文化や法律に対する知見を元に正確で有効な翻訳をお届けします。

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