アプリのローカライズで顧客をつかむ

スマートフォンやタブレットが世界中で普及し、ダウンロードされるアプリケーション(アプリ)の数は増加の一途をたどっています。2019年にダウンロードされたアプリの数は2,040億(Statistaデータより)。アプリは人々の日常生活と娯楽に欠かせない存在となっていると言えるでしょう。顧客の需要や要望を満たすべく斬新なアプリの開発が続けられていますが、アプリの利用者が世界中に広がっている今、アプリを多言語に翻訳・ローカライズすることによって、世界中のモバイル端末利用者の目に止まり、ダウンロード数をさらに増やすことが可能です。

アプリをローカライズするメリット

アプリをローカライズすることで、世界の市場で受け入れられる可能性を高めることができます。アプリ開発/提供企業にとってのメリットを挙げてみます。

より大きな市場へのアクセスを確保する

英語は世界で最も利用者の多い言語の一つですが、それでも英語を使っていない人もたくさんおり、英語を母国語としない国や地域での購買力と経済成長の著しい増加が目立っています。スペイン語、ヒンディー語、中国語などの英語以外の言語にアプリを翻訳・ローカライズすることで、これらの国や地域の新規ユーザーにもアプリを知ってもらうことができるようになります。

売上の大幅増を狙う

2020年、あらゆるアプリの中でモバイルゲーム/オンラインゲームに消費者が費やす金額は、1,000億ドルを上回ると予測されています。これはアプリ市場の56%に相当します。2020年8月の調査結果では、アップルのiOSで最も人気だったのはゲームアプリで、次点のビジネス関連アプリを大きく引き離していました。ゲームがすべてのアクティブアプリの22%を占めていることからも、その人気ぶりがうかがえます。とはいえ、これはアプリのローカライズによる市場拡大が売上増につながる可能性の一例にすぎません。

競争における優位性を確保する

競争力、あるいは競争における優位性はダウンロード数だけで判断されるものではありません。ユーザーがそのアプリを保存し、利用することが大切です。ダウンロードされたアプリの約80-90%は一度しか使用されずに削除されているとの調査結果もあります。ユーザーの言語にローカライズすることで、使い続けてもらえるアプリをユーザーに提供することが競争力の確保につながるのです。

広告収入増につなげる

企業やブランドは多額の資金をモバイル広告に費やしています。先述の調査によれば、2020年のモバイル広告費は、かつてない規模となっており、2019年実績から26%増の2,400億ドルに達すると見られています。

アプリストアの最適化を図る

アプリのキーワードとメタデータをターゲット市場の言語に翻訳することにより、アプリストアにおける特定キーワードの検索の結果における該当アプリおよびブランドの露出を高めることができます。

既存ユーザーをつなぎ止める

多くの選択肢を持っているユーザーは、よりよい顧客サービスを求めています。アプリをローカライズすることで、ユーザーが自分の母国語で問い合わせをすることができるようになれば、アプリ購入後のユーザーの満足度を高く維持することができるでしょう。

アプリのローカライズとして狙う言語を決める

ローカライズする言語をどのように決めればいいのかと考える際には、どの国や地域でそのアプリが受け入れられそうか、アプリの需要が急増している場所はどこかを検討してください。言語の利用者数(話者数)の分析も必要です。検討をお勧めする英語以外の言語とその理由を以下に挙げてみます。

日本語:
日本のモバイルアプリ市場は、2021年までに162億ドルに膨らむと予測されているので、アプリ投入によりシェアと収益を獲得できる可能性は高いと言えます。
中国語(北京語):
北京語の話者数は11億を超えていると言われており、中国国内でも最も一般的に使用されている言語です。アプリを北京語にローカライズすれば、潜在的なユーザーにアプリを提供することが可能となり、売り上げ増につながる可能性は高まるでしょう。

ヒンディー語:
インドではアプリのダウンロード数が増加しています。2018年には2016 年比で165%増となり、世界のアプリダウンロード数で 2 位となっていましたが、この数は今も増え続けています。

ロシア語:
ロシアではソーシャルメディアとゲームのアプリのダウンロードが急増しています。2016年1年間のゲームアプリのダウンロード数は16憶を超えており、世界のゲーム市場で11位につけています。ゲームアプリをローカライズして売り込む先としてはよい選択と言えるでしょう。

韓国語:
韓国は世界でも有数のデジタル社会であり、多くの人がデジタルプラットフォームから情報を入手しています。動画コンテンツを見ている時間も含めたネット利用時間は増え続けており、従来のメディア媒体(テレビや印刷物など)に費やす時間数を超えています。さらに、日常的にデジタルメディアの閲覧に費やす時間の37.1%はモバイル端末からとされているので、アプリ市場としても有望です。

アプリのローカライズを考えるとき、多くの言語に地域的なバリエーション(方言や表記の違いなど)があることに配慮する必要があることを覚えておいてください。例えば、アプリをスペイン語にローカライズしようとした場合、20カ国ものスペイン語を公用語とするそれぞれの国や地域で使われている言葉の使い方や表現に注意してローカライズを進める必要があります。

世界中でモバイル端末の利用時間が増加していることは明らかです。そして、アプリのダウンロードも年々増加しています。アプリをローカライズして新しい市場に投入することで、新しいユーザーの確保につなげてください。

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