プロジェクトに適した翻訳サービスを選ぶには

自社製品を翻訳し海外で展開することは、ビジネスの成長の大きな一歩です。新たな翻訳プロジェクトは、事業全体の行く末を決めうる重大なものですから、ニーズに合った最適な翻訳会社もしくは言語サービスプロバイダー(LSP=Language Service Provider)を選ぶ必要があります。プロジェクトに適していない翻訳会社・LSPに依頼してしまえば、製品だけでなく、会社自体の評判にも影響を及ぼす質の悪い翻訳がなされる可能性があるのです。

ここでは、幅広い条件を検討し、候補となる翻訳会社・LSPの中からプロジェクトに最適な一社を選び出す上で重要な5つのポイントをご紹介します。

1.顧客リストとサービスの幅

翻訳会社・LSPを選ぶ際に考慮すべき最も重要な点の1つは、その会社が対象の国や言語で顧客にサービスを提供したことがあるかどうかです。顧客リストを見るだけで、その会社が現地でどれだけの実績を持つかが分かるでしょう。また、ポートフォリオや実績の一覧を見れば、どのようなタイプのサービスを提供してきたかもわかります。例えば一般的な文書の翻訳を依頼する場合は、その会社に類似した文書翻訳の実績がどれだけあるかを確認します。文書のみでなくプロジェクト全体を翻訳する場合は、現地市場向けの製品のローカライズなど、より複雑な業務を成功させた実績があるかをチェックします。

さらに、その会社が翻訳したターゲット言語のウェブサイトで、コンバージョン率やクリックスルー率といったのデータを分析するなどで、その会社の評価指標が確認できます。

2.同じ分野での翻訳実績

もう1つの重要な点は、その翻訳会社・LSPが業界や専門性を十分に理解していることです。業界での経験がほとんど、あるいは全くない翻訳会社・LSPでは、質の高い翻訳が行われる保証はありません。機械的な翻訳をするだけでは不十分で、製品に関する専門用語や技術情報を理解し、ターゲット言語で伝達する必要があるのです。ですから各分野の専門家が在籍する会社を見極め、正確な翻訳・ローカライズを実現してください。

必要なのは翻訳者が対象言語の読み手と同じ目線で内容を理解していることで、それがなければ、翻訳を行うそもそもの目的はかなえられないでしょう。読み手は、元の言語を知らなかったとしても、翻訳が元の内容を正確に表現しているかを察するものなのです。

3.マーケティングの実績

製品を翻訳することで、より多くの顧客にリーチし、売り上げを伸ばす。この目標を達成するには、翻訳だけでなくマーケティングにおいても実績を持つ会社と提携することも必要です。例えばウェブサイトの翻訳では、多言語SEO(検索エンジン最適化) を適切に行える翻訳会社・LSPに依頼することが重要です。ウェブサイトのコンテンツでは、戦略的にキーワードを使用することで、検索ランキングが高くなり、潜在的な顧客の目に自分たちの製品やサービスを触れさせられるのです。

4.現地の文化に対する理解度

プロジェクトに合った翻訳を行うには、現地の文化への理解も不可欠です。例えば、それぞれの文化における書き手と読み手の距離感や関係性、内容に即した格調などに配慮した翻訳が求められるのです。文化的なニュアンスに敏感な作業こそが成果を左右するといっても過言ではありません。

5.在籍する翻訳者の情報

翻訳を依頼する場合、信頼のおける翻訳者に担当してもらいたいと思うのが当然でしょう。ですから、翻訳会社・LSPを決定する前に以下のような点については確認してください。

  • 翻訳者がどのような教育を受けているか
  • 翻訳者の平均年齢
  • 翻訳者が対象言語のネイティブスピーカーか
  • 翻訳者に、自分たちの業界に関して調査を行っているか、業界に対する知見を持っているか
  • 翻訳者をどのような基準で採用しているのか
  • 翻訳者に翻訳を改善してもらうため何を行っているか

適切な翻訳サービスを選ぶことが国際的な展開を成功させるためには不可欠です。時間をかけて翻訳会社・LSPを調べ、必要な質問をして、自社のプロジェクトに最も適した選択を行ってください。もし顧客リストや作業プロセスを開示したがらない場合、その会社は最良の選択肢とは言えないでしょう。

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