ライフサイエンスにおけるeラーニングの活用

COVID-19のパンデミックが続く中、ライフサイエンスに関わる需要が急増しており、世界中で対応が急がれています。例えば、医学・薬学に関わる研究者や企業が、コロナワクチンの開発を他のワクチンと比較して非常に短い期間で開発したことは、この時期に果たした最も重要な業績のひとつです。とはいえ、まだまだコロナの影響は甚大で、人との接触を避けるためにはオンラインの活用が不可欠です。状況に応じて変化するライフサイエンス業界のニーズに対応するために、多くの場面でeラーニングが活用され、従業員、患者、および顧客に安全かつ効率的な方法で研修・トレーニングを行うようになっています。

ライフサイエンス業界でのeラーニング導入

ライフサイエンス業界の多くの業務は命に関わるため、研修や学習のニーズを確実に満たすeラーニングが重要な役割を果たしています。eラーニングが真価を発揮するのは以下のような分野です。

  • 医療・ヘルスケア:ライフサイエンスの中でも大きな割合を占める医療・ヘルスケア業界では、看護師や医師を対象とした新しい薬剤、臨床試験、プロトコールに関する継続的な教育セッションから、医療従事者への最先端医療の情報の提供まで、幅広くeラーニングが活用できます。
  • 医療事務:医療・ヘルスケア業界でもたくさんの事務処理が発生します。医療施設で事務処理に携わる関係者が、医学用語、医療事務、健康保険および入院費用保険の処理などについてバーチャル・トレーニングを受けて知識を得ておくことは、患者の支援につながります。 
  • 医薬品:日々進化し続ける製薬業界でも、定期的なeラーニングによる知識の更新が強く求められています。薬剤師や製剤技師に対する継続的な教育、そして服薬コンプライアンス(服薬順守:患者が薬を薬剤規定通りに服薬すること)や新薬の研究に関する情報共有が不可欠であるため、これらが可能なeラーニングの活用が有効なのです。
  • 医療機器:医療機器は開発や改良が頻繁に行われるため、購入者および医療従事者、さらに該当機器を操作するスタッフがその機器を仕様通りに操作し、対象となる患者の安全を確保するためにも、操作方法のトレーニングが欠かせません。
  • 受託研究機関:医学分野での委託研究には正確さと明確さが求められるので、研究機関はeラーニングを活用した従業員教育を行うことで対策をとることができます。従業員に自分が従事する研究業務の内容を十分に理解させるため、eラーニングを受講させるのです。例えば、バイオサイエンスなど、さまざまな分野での最新の発見や技術を学ぶため、eラーニングが利用されています。

eラーニングのローカライズ

上述のように役立つeラーニングですが、学習者の理解を高めるためには、その学習者の言語で提供することが鍵です。受講者をコンテンツに引きつけ、そのプログラムを受けさせる目的をきちんと達成したいならば、プログラムをしっかりとターゲット言語にローカライズする必要があります。受講者の言語や文化的背景を踏まえたローカライズをすることで、的確に内容を伝えることができるようになります。eラーニングのプログラムをローカライズするメリットを挙げてみます。

  • 文化に配慮したコンテンツの作成:eラーニングの最大のメリットの1つは、世界中どこにいても学習が可能になるということです。学習者の使用言語や生活環境は多種多様です。したがって、eラーニングを提供する場合、どの言語であっても利用者の文化的背景への配慮も必要です。特にライフサイエンスの場合、1つの誤解が治療や患者の状態に重大な影響を及ぼす可能性があるので、正確な情報提供の重要性は甚大です。
  • 対象地域ごとのコンテンツ調整:eラーニングのコンテンツをローカライズする際には、文化的なニュアンスに加え、テキストの長さや記号、写真、グラフィックなど、地域に合わせて調整しなければならない項目が多数あります。
  • コンテンツの一貫性の確保:eラーニングをローカライズすることで、対象地域ごと、言語ごとにさまざまな要素が入ってきても、プログラム全体の内容や目的には一貫性を持たせておく必要があります。適切なローカライズを行うことにより、全ての対象地域の学習者に対し同じ効果をもたらすことができるのです。
  • 学習効率の引き上げ:eラーニングのローカライズを行う最大の理由の1つは、学習者に安心して受講してもらい、理解を促すことです。コンテンツをスムーズに理解できなければ、情報を記憶にとどめることも困難ですし、試験などでも良い結果は残せません。的確に情報を伝えられるようにローカライズを行うことで、すべての学習者が内容をしっかりと把握することができるようになります。

人の命に関わる重要な分野であるライフサイエンスでも、eラーニングが人材教育や情報共有などで役立つことは確かです。eラーニングを的確にローカライズしてより多くの人が利用できるようになることで、ライフサイエンス業界の強力な武器となれば何よりです。

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