機械翻訳文を高い精度に仕上げる方法

機械翻訳の需要や利用は急増していますが、いまだ人間の翻訳者のレベルには及びません。時には、致命的な誤訳などが含まれることもあります。

外国人の同僚や顧客との会話に機械翻訳を利用したようなシーンでは、ほとんどの場合、誤訳などは見逃されるか、その場で説明を加えることで対処できます。しかし、電子メールや文書の翻訳は間違いをリアルタイムで確認できないため、正確な訳文となっていることを確かめておきたいものです。特に、繊細なコミュニケーションの場合、文字になった言葉が後々にまで残ることを踏まえ、不正確な翻訳はできるだけ避けなければなりません。

クリムゾン・ジャパンの機械翻訳は、複雑な文章を使った度重なるテストを経て、現在の精度を実現しています。とはいえ、いくらAIが学習を重ねて精度を向上させても、現時点では人間の翻訳者に代わるものではありません。そこで登場するのが、機械翻訳された訳文を人間の翻訳者・校正者がブラッシュアップする「機械翻訳+ポストエディット(MTPE=Machine Translation Post Editing)」というサービスです。他社の機械翻訳エンジンによる翻訳ファイルにも対応しており、機械翻訳された文書を、高い精度の翻訳に仕上げることが可能です。

MTPEサービスは以下のような流れで進行します。

ステップ1:テキストを機械翻訳する

ご利用いただく機械翻訳エンジンは、一般的なものであれば、どれでもかまいませんが、元ファイルをそのままアップロードできる機械翻訳エンジンを利用すればコピーミスなども防げるのでお勧めです。時間やコストの節減のため、目的に応じた利便性の良い機械翻訳エンジンを見つけてください。
ここでは、無料で利用可能なクリムゾン・ジャパンの翻訳エンジンでファイルごと翻訳する際の利用方法を紹介します。

  1. AI機械翻訳のサイトを開く
  2. 無料でお試しの選択で「無料ファイル翻訳」をクリックする
  3. 表示された枠内にファイル送信用のメールアドレスを入力し、ファイルをアップロードする
  4. ファイルのアップロード後に「送信」をクリックすると、数分以内に翻訳されたファイルがメールで届くので確認する

ステップ2: 翻訳文書の分野を専門とするバイリンガルスタッフによるポストエディット(翻訳チェック)を依頼する

次に、機械翻訳された文章のポストエディットを、翻訳対象の業界・分野を専門とする翻訳者・校正者に依頼します。経験豊富な翻訳者や校正者が誤訳を含む以下のような点を修正し、原稿の精度を向上させます。

  • 単語、フレーズ、文章、パラグラフレベルで正確な翻訳に修正
  • 著者が読者に伝えたいニュアンスや表現に修正
  • お客様ご指定の仕様、用語集に準ずる校正
  • 機能的に明瞭で読みやすい文章への校正

機械翻訳された文章に校正者によるチェックを追加することにより、翻訳者が全ての作業を担うよりも低コストで、外部とのやり取りに利用するには十分なレベルまで品質を向上させることができます。

ステップ3:2人目の校正者によるさらなる訳文の改善

クリムゾン・ジャパンのMTPEにはライトポストエディットとヘビーポストエディットの2タイプがあります。2名の校正者が文章の確認を行うことで、訳文をさらに改善し、人間による翻訳の品質に近づけることができます。2人目の校正者は、見落としがないかをダブルチェックする安全装置であり、以下の点での修正を加えることで、さらなる品質の向上を図ります。

  • 対象分野の専門用語の正確な翻訳への修正
  • くどい言い回しをすっきりさせ、不適切な用語を削除
  • 一貫したスタイルやトーンに校正
  • お客様のご希望に沿い、かつ誤解が生まれないよう文化的に考慮した訳文への修正
  • スペル、ハイフン、数字、フォント、大文字などの使い方の一貫性確保
  • スタイルガイド/指定された書式に則った校正

機械翻訳は翻訳業界に革命をもたらしました。しかし、AIの発展が目覚ましいとはいえ、機械翻訳は人間の翻訳者の水準には達していません。より速く、より正確な翻訳を求める人にとって、機械翻訳+ポストエディット(MTPE)は非常に有効なソリューションとして、さまざまなシーンで多用されています。次のような翻訳には機械翻訳が適していますが、内容や用途に応じてMTPEを追加してください。

1)研修教材の翻訳
2) 製品ラベルの下訳
3) 社内メールの翻訳
4) BtoBのやり取り
5) 社内ネットワークの翻訳
6) 低価格のウェブサイト翻訳

上記のような、迅速で安価な翻訳が必要な際には、機械翻訳が有用です。しかし、細かなニュアンスや内容に間違いがあってはならない重要な事項が含まれている文章や、ちょっとした誤訳でも大きな影響が出ると予想されるような内容にはMTPEを追加することで、正確性を担保することが一つの選択肢となるでしょう。一方で、医療関連の文書や機械のマニュアルなどのように、さまざまなユーザーに正確な情報を届けなければならない場合や、記載内容を読んだときに誤解が生じては困るような重要な文書については、翻訳者による翻訳が望ましいでしょう。

また、いくら作業時間を短縮できるからと言ってもウェブサイトなどのローカライズの場合には、機械翻訳+MTPEでも対応しきれないものもあります。ローカライズでは、単に逐語的に正しい翻訳ではなく、対象言語の読み手の感情や文化に配慮した訳文にする必要があるからです。ブランディングやマーケティングにも関わるローカライズでは、読み手を意識した翻訳が不可欠です。同様に、人の心に訴える小説などの文学作品の翻訳も翻訳者に依頼すべきでしょう。

このように向き不向きはありますが、機械翻訳+MTPEは、即時性、効率性を優先するような場合にはとても便利な策ですので、用途を考慮の上、活用するようにしてください。

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