医療および法律・法務通訳サービス: 特殊な状況におけるコミュニケーションの橋渡し

海外で滞在中に、思わぬ言葉の壁に悩まされるハプニングが起こる場合があります。例えば、病気にかかって治療が必要になり、現地の医療関係者とのコミュニケーションがうまく取れないような場面です。こうした予期せぬ事態が起こったとき、医療通訳者の通訳サービスを利用できるかできないかで大きく状況は違うでしょう。

医療や法律・法務といった専門分野の知識を有する通訳者による通訳サービスが利用できれば、深刻な病気やケガや法的な問題が発生しても、言葉の壁を解消することができます。専門性の高い通訳サービスは、あらゆる言語で必要なタイミングに迅速に利用できることが重要です。

医療通訳、法律・法務通訳サービスの利用方法

医療および法律通訳サービスの利用は、電話通訳、ビデオ遠隔通訳、または対面通訳の3つの方法で行います。どの手段を選択するかは、突発的な状況か、あるいは予約での利用か、また、緊急を要するかどうかなど、さまざまな条件で異なります。

各サービスの概要は以下のとおりです。

電話通訳
電話通訳は、予期せぬ病気やケガ、また、法律関係の言語的サポートが急遽必要になった時など、突発的な状況に用いられます。他のタイプの通訳サービスよりも安価で、オンデマンドで利用できるため需要も高い形態です。ただし、通訳者は、患者やクライアントを見ることができないため、対面の通訳と比較すると個人に寄り添った通訳が難しくなります。また、完全に音声ベースであるため、見えない詳細な情報が見落とされがちですので、複雑で細部にまで確認が必要な状況の通訳には適していません。

ビデオ遠隔通訳
ビデオ遠隔通訳は、電話通訳と同様にオンデマンドで利用できます。このサービスの一番の強みは、関係者全員がお互いを見ることができる点です。特に患者が症状を説明するような医療の場面では、電話通訳よりもビデオ通訳が効果的です。ビデオ通訳の利用方法は、依頼者がスマートフォン、タブレット、またはパソコンからアプリを使用してログインしたところに通訳者が参加し、会話が始まるという流れです。

対面通訳
電話およびビデオ通訳も重要なニーズに対応する形態ではあるものの、対面通訳が必要な場合もあります。例えば、センシティブで複雑な内容、あるいはプライベートな情報を扱う場合、または事前にスケジュールが定まっている予約診療、商談、会議などは対面が好ましいとされています。

医療通訳とは

医療通訳は、特殊な状況下において、複雑で詳細な情報を正しく伝達する技術が求められるため、最も専門性の高い通訳サービスの1つです。医療通訳者は、患者、その家族、医師、その他の医療スタッフの間で、時には大変困難な状況下でのコミュニケーションを図ります。そのため、医療通訳者は、医療分野の専門家であると同時に、両方の言語のネイティブスピーカーである必要があります。

また、医療通訳者は、医療提供側が診断やアフターケアの指示に必要な正しい情報を伝達する役割を担ってます。患者側も、信頼できる医療通訳者のおかげで、症状や病歴を共有し、病状、必要な検査、治療計画に関する情報などを正しく理解できます。

医療通訳を利用するメリット

医療通訳サービスのメリットは以下の通りです。

緊急事態への対応
患者に緊急の医療処置が必要となった場合は、一刻を争います。患者が速やかに適切な処置を受けられるように、言葉の壁は直ちに取り除かねばなりません。患者と医師の間の言葉の壁が緊急処置の妨げとなることを回避するためにも、通訳者にすばやくアクセスできることは、人命を救うということにもなるのです。

認定済み医療通訳者によるサポート
Certification Commission for Healthcare Interpreters(CCHIヘルスケア通訳者認定委員会)のような第三者機関による認定を受けた医療通訳者は、トレーニングを経て資格を取得し、高い責任感を持って従事しています。認定を受けた信頼できる通訳者によるサポートを得ることで、患者の安全、再入院率、医療格差といった医療上の課題に直接的なプラスの効果をもたらすことができます。

深刻な医療ミスの予防
医療においては、些細な情報も重要な場合があります。医師と患者は、医療通訳者を介することで、細かい情報の見落としや抜けをなくし、正確なコミュニケーションを図ることができるのです。

患者のあらゆるケアを管理
患者と医療スタッフが理解し合えれば、患者の治療の満足度は高くなります。スタッフが患者の入院手続を補助する場面や、看護師が患者の病歴に関する情報を得る時などにおいても、医療通訳者が最初から関与することで、あらゆる側面での管理が行き届くことになります。

患者と家族の不安を解消
大概、医療が必要になるのは深刻な状況です。たとえ健康上の問題がそれほど重くなくても、多少なりとも不安になるものです。患者とその家族が医療スタッフとコミュニケーションが取れなければ、さらに不安がつのります。医療通訳者がいることで患者とその家族のストレスを軽減し、安心させることができるのです。

プロセスの円滑化
医療機関が専門の医療通訳者を雇用すれば、医療提供の全ての段階をより効率的に進めることが可能となり、結果として医療機関にとって時間と費用の節約になります。全てのプロセスにおいて正確な情報が共有されることで、間違いを防ぎ、間違いが生じた場合でも修復するタイムロスが削減できます。

患者に選ばれる環境の実現
医療もビジネスの側面があり、熾烈な競争が存在しています。地域によっては、医療施設や薬局の選択肢が複数ある中で、患者は自分の現状に寄り添ってくれる施設を選びます。施設が医療通訳サービスを提供することで、言語の隔たりなく患者を受け入れる環境を実現することができます。

法律・法務通訳とは

医療通訳と並んで、法律・法務通訳も専門性の高い重要なサービスです。効果的なコミュニケーションと情報交換は法制度に携わるすべての人にとって非常に重要です。関わる当事者たちがお互いを理解できなければ、正義は実現しません。

ビジネスにおける契約内容の確認や裁判のサポートなど、法律を専門に扱う通訳者は、情報を正確に伝達することができます。

法律通訳の業務には以下のようなものがあります。

依頼者/裁判所双方からの情報を正確に伝達
クライアントが提供する全ての情報を変更、省略することなく、正確かつ明確に伝えます。また、裁判所から提供された情報も過不足なく正確に訳し、依頼者と共有します。特に法廷通訳では複雑な事案を扱うこともあるため、用語を一言一句正確に伝えることができるように、取り扱う特定の法律分野の専門家であり、なおかつ、両言語のネイティブスピーカーである法律通訳者が担うことが求められます。

法的書類の記入をサポート
法律関連の書類内容を説明し、必要に応じて記入の手伝いをします。書式が複雑な場合、依頼者が記入を求められている内容を完全に理解できるよう、時間をかけて丁寧に説明することもあります。

弁護士と依頼者間のコミュニケーションの円滑化
両当事者と弁護士が異なる言語を話す場合は、法律通訳者が同席し、コミュニケーションの円滑化を図ります。多くの場合はあらかじめ日程調整されますが、場合によっては緊急で通訳が必要となることがあります。その場合は、電話または遠隔ビデオ通訳が有効な手段となります。

法律・法務通訳を利用するメリット

法律通訳を利用するまでもないと考えるケースもありますが、なかなか当事者だけでは解決できない事態になることもあります。当事者と弁護人などの関係者のどちらの言語も話せる知人や同僚に頼んだとしても、スキルのある法律のプロとは比べ物になりません。

法律通訳サービスのメリットは以下のようなことが挙げられます。

正確な情報伝達
事件の容疑者または被疑者となった場合や、事件の証人となる場合、捜査官に情報を正確に伝えなければなりません。裁判においても同様です。関係者が同じ言語を話さない場合、直ちに法律通訳者が招集されなければなりません。通訳者無しでは、何が起きたのかを正確に伝えることがほぼ不可能になってしまいます。

裁判所認定の通訳者によるコミュニケーションの円滑化
法廷・法律関連の案件に対応できる通訳者を見つけるのは簡単ではありません。英語を理解できない証人とのやりとりや、重要な法律文書の翻訳は困難ですが、裁判所認定の専門知識のある法律通訳者による支援で言語の壁を克服することができます。認定通訳者は法律関係のバックグラウンドを持っているため正確なコミュニケーションが図れます。

犯罪被害の泣き寝入りを防ぐ
特に軽犯罪の場合、コミュニケーションが取れないことが理由で被害者が犯罪を通報せずそのまま泣き寝入りしてしまうことがあります。海外旅行で観光客が犯罪の標的となることも多々あります。犯罪に巻き込まれた時、警察に通報し、助けを求められると思えることが肝心です。法律通訳を介すことで、犯罪や違法行為について安心して警察や弁護士に連絡できるようになります。

効率的な処理
裁判や法務処理に法律・法務通訳が介入し、重要な役割を担うことができれば、迅速かつ効率よく処理を進めることができるでしょう。各関係者が同じ言語を話さない場合、問題の解決に向けて集中するより、お互いを理解しようとすることに手一杯となってしまいます。法律通訳者は、依頼者の法的手続きのサポートを通じて時間と費用を節約できるよう支援します。

被告人への扱いの公平性
刑事訴訟では、被告人は、自分にかけられた嫌疑をしっかりと理解しておく必要があります。この基本的な権利が守られなければ、不十分な弁護に終始し、裁判で大変不利な立場に置かれることにもなりかねません。公平性確保のためにも、情報共有を手助けする通訳の存在は大きいと言えます。

ビジネス取引の公正さ
法律通訳者は、法律に関わるあらゆる分野で活躍します。例えばビジネスで取引を行う場合、関係者全員が契約内容の詳細を把握しておく必要があります。交渉中に急遽通訳が必要となった場合でも、オンデマンド通訳サービスを利用すればタイムリーに通訳者が手配できます。

法的文書に対する共通認識の確認
サービス契約書、売買契約書、または個人的な取り交わしなども含め、依頼者は署名する書類の内容を完全に理解しているか法律通訳者を通して確認し、内容を十分に理解しないまま不利な条件に合意してしまう危険性を回避することができます。

医療や法律の問題は、たとえ言葉の壁がなくても困難なものです。もし、そうした問題に言葉の通じない場所で遭遇したらどれほど大変でしょう。そのような場合でも、医療・法律のプロである通訳者の助けを借りることで、言語の壁を克服し、問題の解決へと導くことができます。

通訳サービス会社を探す際は、医療あるいは法律関連を専門とする通訳者や、必要な言語ペアのネイティブスピーカーの手配が可能な通訳サービスを提供する会社かを確認することをおすすめします。

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