東京証券取引所の英文開示規定について知っておくべきこと

東京証券取引所は、最近、同取引所の最上位市場である「プライム市場」の上場企業について、重要な義務を新たに定めることを発表しました。2025年4月より、プライム市場の上場企業には、主な財務諸表と重要な情報を日本語と英語の両方で開示することが義務づけられます。この義務化の目的は、投資家が情報を得やすくし、透明性を高めることにあります。重要な財務データを世界中の関係者が容易に入手できるようにする、ということです。

日本取引所グループの最近の調査によると、東京証券取引所のプライム市場に上場している企業の多くは、すでに英語でも情報を開示しています。決算短信や株主総会招集通知のような主要文書の8割以上は日本語と英語の両方で発行されていますが、全文が英語でも提供されているのは、決算短信で45%、招集通知で54%のみです。有価証券報告書が英訳されている割合はさらに低く、わずか21%にすぎません。意外かもしれませんが、全文が英語でも提供されている割合は投資家向けの説明資料のほうが高く、6割近くあります。

翻訳率には文書の種類によって差があります。全文が英語でも提供されている比率が最も高いのは、投資家向けの説明資料です。特に、有価証券報告書、株主総会招集通知における事業報告、およびコーポレートガバナンス報告書については、7割以上の企業で英訳がありません。より最近の調査によると、英文開示を行っているプライム市場上場企業の比率は、決算短信についても招集通知についても9割を超えましたが、全文を英語でも開示している企業は、それぞれ47.7%と57.4%にとどまります。全文を英語でも開示している企業の割合が最も高いのは、やはり投資家向けの説明資料についてです (63.0%)。

これらの調査結果は、東京証券取引所が日本語と英語での情報開示を義務づけることの意義を浮き彫りにしています。企業が英文開示の義務を遵守するためには、信頼できる翻訳会社と提携することで、準備を円滑に進め、義務を確実に履行することができます。

英文開示が必要な理由

日英両言語による情報開示が要求されるのは、金融市場のグローバル化が進んでいるからです。

  • 海外投資家を集める: この新しい英文開示規定は、重要な情報を英語でも提供し、日本企業への理解と投資を容易にすることで、より多くの海外投資家を集める事に繋がります。
  • 企業価値の向上: 日英両言語によって透明性の高い情報開示を迅速に行うことで、優れたコーポレートガバナンスが育まれ、投資家から見た企業価値と信頼性が高まります。
  • その意義: 約1600社のプライム市場上場企業に適用されるこの英文開示規定は、海外投資家に情報を提供し透明性を高める方向への大きな変化です。これは、東京証券取引所が海外から投資を集めようとする取り組みにおいて、きわめて重要な動きです。

日本企業および日本市場への新規参入企業に対する影響

  1. 知名度と投資機会の向上: 日英両言語での情報開示によって、より多くの海外投資家が日本企業を理解できるようになります。日本企業が集められる資金は増え、成長の機会も拓かれます。海外投資家が増えれば、国内資金への依存度を下げることもできます。
  2. 透明性とブランドイメージの向上: 英語での情報開示は、国際的な透明性とベストプラクティスの実現に努めていることを示すものです。世界の市場における企業の評価を高め、明確で理解しやすい情報公開が行われていることを重視する投資家を集められるでしょう。
  3. 新規参入の円滑化: この新しい英文開示規定は、日本市場への参入を目指す外国企業にとって、より公平な競争条件を作り出すものです。英語で情報を容易に入手できることによって、海外投資家はデューデリジェンスを行いやすくなり、充分な情報に基づいた投資決定を行うことができます。

翻訳が必要な文書の種類

  1. 有価証券報告書: 投資家や関係者に向けて、詳しい財務情報や業績の包括的な分析を提供するものです。
  2. 株主総会招集通知における事業報告: 株主総会招集通知には、株主総会で扱われる議題、投票手続き、および決議事項に関する重要な情報が含まれています。
  3. コーポレートガバナンス報告書: コーポレートガバナンスの枠組・方針・実践の概要を示し、株主に対する透明性と説明責任を確保するものです。
  4. 適時開示資料 (決算短信を除く): 決算には直接関係しないが投資家の意思決定に影響を与える重要な最新情報・発表事項を開示するものです。
  5. 投資家向けの説明資料: 企業の業績・戦略・将来見通しの概要を述べたものです。通常、投資家やアナリストに配布されます。
  6. 株主総会招集通知 (通知本文): 株主に対し、株主総会の日時と場所を知らせ、参加方法を説明するものです。
  7. 決算短信: 特定の報告期間における収入・支出・利益・損失などの詳しい結果が記載されています。

まとめ

東京証券取引所における日英両言語での情報開示の義務化は、世界の金融市場における透明性と情報公開に対するニーズの高まりを反映したものです。東京証券取引所は、日本語と英語の両方で重要な情報を開示するよう企業に義務づけることで、投資家の信頼を高め、取引をより円滑にすることを目指しています。企業がこの新しい要求に対応する際には、クリムゾン・ジャパンのような翻訳会社と提携することで、準備を円滑に進め、義務を確実に遵守することができます

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