特許翻訳のポイント

海外で貴社の技術を展開しようとお考えですか?世界の経済はつながり合っており、革新的技術に国境はありません。多くの企業がグローバル化し、国際的な展開を進めている現在、知的財産の保護はきわめて重要になっています。知的財産の保護に不可欠なもののひとつが、特許翻訳です。

この記事では、特許翻訳の重要性を説明し、その課題を述べ、国際的な法の基準に沿って自社技術を展開するためのベストプラクティスについて考えます。

特許翻訳とは

特許は、貴社の独創的な発想を保護する手段です。革新的なものを創造した場合、特許はその発明に対して約20年間の独占権を与えます。一時的な独占権を与えることで、新しい発明が世界で共有されるよう促す法的な仕組みです。

特許は文書化されています。特許翻訳とは、正確さ、明瞭さ、法的な厳密さを維持しながら、特許文書の内容をある言語から別の言語に翻訳することです。革新的な発想を世界的に保護しようとする場合、特許翻訳がきわめて重要になります。特に、様々な言語が使用される複数の市場で保護しようとする場合はそうです。

特許翻訳が必要になる場合

特許翻訳は、下記のような場合に必要になります。

  1. 外国での特許出願: 自国以外で特許を出願する場合、その国の特許庁が認める公用語に翻訳した特許文書を提出する必要があります。特許の出願は、出願先の国の公用語で行わなければならないからです。
  2. 特許協力条約に基づく国際特許出願: 特許協力条約に基づいて国際特許出願を行う場合も、特許を取得したい国の公用語に翻訳した特許文書を提出する必要があります。国際特許出願は1回で済みますが、特許を取得したい国の国内手続に入る際には、やはり翻訳が必要なのです。
  3. 欧州特許庁に加盟していない国で欧州特許を有効化する場合: 欧州特許庁から欧州特許を取得し、欧州特許庁に加盟していない国でその特許を有効化したい場合、その国の公用語に翻訳した特許文書の提出が必要なことがあります。
  4. 特許訴訟と権利行使: 外国で特許訴訟や権利行使の手続が行われる場合、証拠として使用するため、また関係当局との連絡のために、特許文書や関連資料の翻訳が求められることがあります。

特許翻訳の課題

次に、特許翻訳で直面する課題と、特許翻訳の専門家に依頼すべき理由をご紹介します。

  • 技術面での精密さ: 特許文書は、複雑な専門用語で埋め尽くされています。この課題を解決するには、言語だけでなく当該の技術分野にも精通した専門翻訳者に依頼して、正確な翻訳を行うべきです。
  • 世界で通用する法的な正確さ: 法律は各国で異なりますが、特許はどこでも通用すべきものです。特許法の専門知識を持つ翻訳者は、国ごとの違いをうまく調整し、特許が世界で法的に通用することを保証します。
  • 文化の違い: 文化が異なれば、特許文書中の用語の解釈も異なるかもしれません。専門の翻訳者は、この違いを考慮して誤解を防ぎ、貴社の発明が文化を超えて受け入れられるようにします。
  • 一貫性と標準化: 翻訳の一貫性を保つことは、特に複数の場所で出願する特許の場合、きわめて重要です。専門の翻訳者は、翻訳ツールを使って一貫性を保ち、誤りや不一致を減らします。
  • 速やかな更新: 特許の訂正が必要になることもあります。専門の翻訳者は、更新を迅速に処理します。貴社の特許を最新の内容にし、適切な状態を保ちます。

特許翻訳の流れ

特許を翻訳する場合、次のように進めましょう。

  1. 必要な翻訳の種類を決める: 特許翻訳の最初の段階は、特許出願のために翻訳が必要なのか、それとも一般的な情報の翻訳が必要なのかを明確にすることです。特許出願のための翻訳には特定の法的な要件があることが多いため、この区別は非常に重要です。
  2. 必要な書類を集める: 次の段階は、翻訳する特許や法的・技術的な関連資料など、すべての関係書類を集めることです。すべての資料を取りまとめることで、正確で一貫性のある翻訳が可能になります。
  3. 専門的な翻訳会社と提携する: 正確かつ法令を遵守した翻訳にするため、特許翻訳に精通した信頼できる専門翻訳会社に依頼します。クリムゾン・ジャパンは、特許や法律文書の取り扱いに実績を持つ、専門的な翻訳会社です。
  4. 用語について規則を定める: 次の段階では、翻訳チームと緊密に連携し、用語について明確な規則を定めます。この段階は、翻訳過程全体の一貫性と精度を確保するために非常に重要です。特に専門的な分野で大切になります。
  5. 翻訳段階: 実際の特許翻訳はこの段階で行われます。多くの専門翻訳者は、関連する専門分野の背景知識を持っており、言語的・専門的に複雑な内容を理解して、正確な翻訳を作成します。
  6. 翻訳の質を保証する校正: 特許翻訳は、ほとんどの場合、翻訳の質を保証する校正作業が不可欠です。翻訳の質を保証する徹底した工程を導入しましょう。この工程には、用語について定めた規則に従った正確さを確保するために、2人目の翻訳者や分野の専門家による校正が含まれる場合があります。この工程は、誤りや矛盾を発見する上できわめて重要です。
  7. 翻訳後の認証と公証: 最後に、翻訳された特許文書には、法の要求に応じて、証明書や公証が必要になる場合があります。翻訳された文書に信頼性と法的な有効性を付加するために必要な証明書を翻訳会社が提供できることを確認しておきましょう。

翻訳がないことから生じる法的な不利益

ここで、「特許の翻訳は必須なのか?」という疑問が生じるかもしれません。多くの場合で必須と言えます。各国の法の要求に応じて、特許を翻訳する必要があるからです。また、翻訳は正確でなければなりません。

不正確な翻訳は法律上、様々な問題に発展する可能性があります。以下では、適切な翻訳があれば避けられる、法的に重要な不利益をご紹介します。

  1. 特許権の喪失: 国や地域によっては、特許の正確な翻訳を提供しなかった場合、権利を失う可能性があります。翻訳された文書が当該地域の法の要求に従っていない場合、特許権を行使できなくなったり、一部の請求項が無効になることがあります。
  2. 特許侵害の危険性: 不正確な翻訳は、特許を取得した発明の範囲や性質について誤解を招きかねません。この場合、特許の内容を明確に理解できていない他者が意図せずに特許を侵害してしまう危険性が高まる可能性があります。
  3. 法的紛争: 翻訳された特許に曖昧さや誤りがあると、法的トラブルを引き起こしかねません。特許文書は明瞭さと正確さが重要です。誤った解釈をすれば、特許の有効性や侵害をめぐる高額な法廷闘争に発展する可能性があります。
  4. 公開という条件を満たせない: 特許を取得するには、多くの場合、具体的な技術の詳細を公開する必要があります。特許文書を翻訳していなかったり、翻訳が不完全な場合、公開という条件を満たさないことになり、特許の有効性に影響する可能性があります。
  5. 機会を失う: 特許文書を翻訳していない場合、様々な国や地域における知的財産権の保護と行使の機会を逃す結果になりかねません。特許を世界で充分に活用するには、包括的な翻訳戦略が不可欠です。
  6. 規制への違反: 国や地域によっては、特許文書の翻訳に関する規制があります。この規制に従わない場合、刑罰が科されたり、特許の出願が却下されたりする可能性があります。

まとめ

特許翻訳について、また知的財産を世界で保護するための特許翻訳の重要性について、ご理解いただけたと思います。

貴社の革新的技術を特許によって保護したい場合、優れた特許翻訳サービスを提供している信頼性の高い専門的な翻訳会社との提携をご検討ください。革新的な技術を伝えるには、正確さが重要です。専門的な翻訳会社は、国境を越えて、貴社の新技術を正確にしっかりと伝えることができます。

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